2012-01-01から1年間の記事一覧

こころの辞典2201-2297

2201 人間の精神の進化史を考えることができる。(1)脳は自然をよりよく写し取る方向に進化した。しかしその過程には行き過ぎがある。ほんの少しだけ現実を「写しすぎる」、つまり逸脱がある。しかしその多様な逸脱の中に自然を正確に写し取り、人間の生存…

こころの辞典2101-2200

2101 シュナイダー。異常心因反応。外的体験反応と内的葛藤反応。ストレスと性格に対応する。いわゆる神経症はストレスと性格のかねあいで、結局のところ、適応障害といってもいいようなものだろう。 2102 過換気症候群 hyperventilation syndrome =過呼吸…

こころの辞典2001-2100

2001 離人症 少なくとも、脱相貌化と自我障害という異なる系統があると考えられる。 2002 学校や病院を抑圧の装置と考えることができる。精神療法でいう、枠付けである。治療構造である。その枠・構造を内在化することで、人格は社会化し成熟してゆくと考え…

こころの辞典1901-2000

1901 脳の形成期 例えば、皮膚の汗腺は、発生時の気温や湿度に合わせて調整される。脳についてもそのような調整・決定の時期があるはず。 1902 性ホルモンの関与 女性ホルモンはレセプターを調整しやすくする。従って、胎児期と思春期には環境に合わせて調整…

こころの辞典1801-1900

1801 しかしながらリハビリはドーパミンレベルを低下させることが仕事ではなく、ドーパミンを適正なレベルに保つことが仕事である。 薬を使って脆弱性を押さえ込みながら、生活を広げてドーパミンを上昇させる。この一見矛盾する仕事をしなくてはならない。 …

こころの辞典1701-1800

1701 最近の家族関係、近隣関係を見ると、危機に直面したときのサポートが得にくくなっている。そのせいもあって、精神保健上の問題が浮上しやすい。 サポートシステムの欠如。 1702 精神保健対策は一般に管理強化によって対処することが多くはないか? 登校…

こころの辞典1601-1700

1601 長期入院者社会復帰促進プラン ・いわゆる「社会的入院」にあたる人のリストアップ。レベル・状態に応じて分類する。 ・使用可能な社会資源の検討。さらには不動産屋・大家と懇意になれるか検討。 ・具体的な社会復帰のめどがないのに社会復帰療法をす…

こころの辞典1501-1600

1501 きれいデイケアと安心デイケアでわけないと、安心はきれいを駆逐してしまう。 1502 ボランティアの活用。ボランティアの位置づけ。特にシルバーボランティアが使えるかどうか。 1503 病気ごとの標準治療手順を定める。どの職種がどの時点でどのように関…

こころの辞典1401-1500

1401 まとめたいこと。 分裂病性自我障害発生の時間遅延理論。 躁うつ病のMAD理論。 神経症性内因性分裂病も加えて精神病の見取り図を作る。 シュープ性の躁うつ病を加えて精神病の見取り図を作る。 インターパーソナルとイントラサイキックについてまとめる…

こころの辞典1301-1375

1301 高感情表出 high EE(Expressed Emotion) 家族が患者に対して批判的で敵意を含む感情的な言葉を投げかけていると分裂病の再発率が高い。このことを「家族のhigh EEは再発率を高める」といっている。分裂病男子長期入院患者が退院したとき、家族と暮らす…

こころの辞典1201-1300

1201 魔女 テレビで。清教徒による魔女の定義がいくつかあり、その中に「不満と怒りに満ちた女性」などと性格障害のタイプを思わせる記述があるらしい。 周囲に被害を与えるので、社会の側では魔女と指定してお返しをするものであろう。断食の習慣を考えると…

こころの辞典1101-1200

1101 キリスト教教会での告白には特別な意味がある。 それは人間に向けて語るのではなく、神に語る。それはカウンセリングの本質である。 共感的理解、自己一致、受容、無条件の尊重、配慮、自己受容、自己開示などがカウンセリングの条件とされるものである…

こころの辞典1001-1100

1001 性格障害とは、何らかの性格傾向(trait)について、統計的平均から常に著しくずれているために、本人、家族、社会が悩むものをいう。性格傾向は思春期かそれ以前から持続するものである。精神疾患による言動の傾向は、一過性である。 性格障害があれば…

こころの辞典901-1000

901 アナクリティック・デプレッション anaclitic depression アナクリティックは母親への依存の意味。母親を奪われたときの子供の抑うつをアナクリティック・デプレッションと呼ぶ。anacliticはスピッツによる造語で「よりかかる・依存する」の意味。母性的…

こころの辞典801-900

801 分裂病性思考障害 実体は何か。観念連合の障害として、連合弛緩や支離滅裂に至るのならば、当然分かる。→風景の「構成」の消失。世界観の全体構成の喪失。自然な自明性の喪失。それによってばらばらなものが現れてしまう。 しかし論理の形式がずれること…

こころの辞典700-800

700 うつ状態の患者さんのご家族の方へ ?対応の仕方 脳の中で何かが起こっている病気です。「怠け病」や「気持ちの持ちよう」ではないので、ご本人を責めないで下さい。また、励ましの言葉や外に連れ出すことに対しても、患者さんは期待にこたえようと気をつ…

こころの辞典601-699

601 身体化はなぜ低次の適応様式か? 602 超自我 政治家と役人の拝金主義。超自我の弱体化に関係している。これは日本全体の傾向である。患者も超自我は弱くなっている。強すぎる超自我の病理はいまはあまりない。 理由は何か? 内在化すべき親の権威がない…

こころの辞典501-600

501 妄想【追記】 何かの考えを、それは妄想であると判断するとき、真実ではないと判定していることになるが、何を根拠に真実かどうかの判定をしているのだろう。 真実であると考える根拠には、大別して三つあると思われる。 1)経験を吟味した客観的事実。…

こころの辞典401-500

401 現実検討と見当識 reality testing and orientation 現実検討能力と現実見当は紛らわしいが、違うもの。現実把握の点では似ている面もある。 402 カタルシス(浄化) catharsis 無意識層に抑圧していたものを自由に表現することによって、心の緊張を解く…

こころの辞典301-400

301 運動失調 ataxia 多くの筋肉を協調して働かせることができなくなる状態。特に、伸筋と屈筋の協調が失われる場合があげられる。手のひらを表裏とすばやく動かす運動や、人差し指を膝と鼻の間で往復させる運動によりテストする。 302 エアマットレス alter…

こころの辞典201-300

201 楽観主義 くじけない心。努力は報われると信じて努力を続ける態度。成功の可能性が1%でもあれば、その可能性を追求してみる態度。何もしないでもどうにかなるだろうと信じる態度とは異なる。 202 悲観主義 努力はどうせ報われないと思いながら生きること…

こころの辞典101-200

101 共依存 co-dependency アルコール依存症の研究から提唱された考え方。支配されることを通して相手をコントロールしようとするアルコール依存症者に対して、自分の内面的な葛藤を他者を支配することによって癒そうとする配偶者がいる。この人間関係を人間…

こころの辞典51-100

51 閉所恐怖 claustrophobia たとえばエレベーター、しかも窓のないエレベーターを恐怖する。窓があればどうして安心できるのかを尋ねると、発作が起こったときに助けを呼べるからだと言う。しかしそれならインターホンがついているではないかと尋ねると、そ…

こころの辞典1-50

1 しこうすいにゅう 思考吹入 thought insertion させられ体験のひとつで、他者によって考えが吹き込まれる体験。他者は強く意識されず、考えがひとりでに外から吹き込まれるという程度のこともある。思考の自己能動性または自己所属感が失われた状態である…

こころの辞典1-50

1 しこうすいにゅう 思考吹入 thought insertion させられ体験のひとつで、他者によって考えが吹き込まれる体験。他者は強く意識されず、考えがひとりでに外から吹き込まれるという程度のこともある。思考の自己能動性または自己所属感が失われた状態である…

9-2 三環系抗うつ薬

9-2 三環系抗うつ薬三環系抗うつ薬はかつて抗うつ薬治療の定番だった(表9.4)。しかし合衆国ではだんだん使われなくなり、若手精神科医にはなじみのないものだろう。 - 表9.4 よく使われる三環系抗うつ薬 イミプラミン 三級 最も古い三環系 アミトリプチリン …

8-3 神経症性うつ病について MD2012-25

8-3 神経症性うつ病について第2章で述べたように、神経症性うつ病という用語は1980年のDSM-IIIのとき公式の辞書から消えていて、重々しい響きの全般性不安障害(GAD)と気分変調症に置き換えられた。結果として医師はGADと気分変調症の併存する患者をしばしば…

本の書き方

謎が冒頭ではっきりと示され、読み進むにつれてとても論理的に解明されてゆくこんなのがいいです

レベッカ・マッキノン:インターネットを取り戻そう!

http://www.ted.com/talks/lang/ja/rebecca_mackinnon_let_s_take_back_the_internet.html

ポール・ブルーム:喜びの根源

http://www.ted.com/talks/lang/ja/paul_bloom_the_origins_of_pleasure.html